カンボジア短期支援

Kingdom of Cambodia


  


2016.9.18〜22 カンボジアRRC711 短期支援

 今回の短期支援では、救急技術支援として看護師のエキスパート2名が参加していたため、出産介助・静脈路確保の実技と試験、そして救急車同乗指導などが実施されました。
 ここでは、支援に参加された看護師の方2名と、写真撮影や記録などで参加された会社員の方の支援感想を掲載しています。

 RRC711短期支援、救急指導に参加して
 JPR会員 赤松有紀子(看護師)

 まず最初に、正井理事長・ソイ・ナリ中将、多くのご配慮に感謝致します。
 以下、長文となりますが支援報告をさせて頂きます。
 

 今回の渡航では、出産介助、静脈路確保、救急同乗による指導をメインで行いました。
 出産に関しては、カンボジアの現状を知り心が痛みました。
 まだまだ情勢が整っておらず、強姦などによる望まない妊娠、経済面から堕胎という選択をするのは難しくそのまま出産となり、墜落分娩や新生児低酸素脳症による死亡例などが多くある事を知りました。
 実際、711隊員も陣痛による救急要請の2事例で、現着した時点で新生児死亡であったと言っていました。
 このような現状に対し、出産の過程と介助方法を指導する事で、少しでも新生児死亡率が下がり、無事に産声をあげる赤ちゃんが増えればいいなと祈るような思いです。
 

 静脈路確保については、前回の渡航時の指導後も定期的に訓練をしているようで、女性隊員全員が手技の確認試験を合格する事ができました。
 あとはその取得した技術を実際の現場で活用していってもらえたらいいなと思います。
 

 救急車同乗に関しては、救急搬送の殆どが交通外傷である、カンボジアでは珍しい急性薬物中毒、多発骨折、外傷ニアCPAの3例でした。
 前回の渡航で指導してきた外傷による観察、PTECに関してはしっかりと実践していましたが、観察をする根拠、観察から得た所見をどう活かすかという所にまだまだ課題が残りますが、前回よりもスキルアップしている隊員を見て、心が熱くなりました。
 また外傷ニアCPAでは、大量出血により刻一刻と状態が悪化する中で、711隊員たちは何をすべきなのか困惑し、服の上からでは出血部位が特定出来ないため、裁断し部位を確認すること、静脈路確保を指示しましたが、今回は極度の不穏、飛散する出血により安全性を考慮し静脈路確保はできませんでした。
 また頭部の出血に関しては圧迫止血を施行しましたが、バイクのハンドル外傷による下半身の亀裂では内臓破裂も認め、処置を施す事はできませんでした。
 この3症例ともに、まだ10〜20代の傷病者であり、この先まだまだ長い人生がある中で、機能障害を残したり、死亡事故などは悔やんでも悔やみきれないと思います。
 今後少しでも道路交通整備がなされ、事故の防止が図られる事、万が一事故が起こってしまった時の救命の体制が整えられる事を祈っております。
 救急指導という目的で参加させて頂いていますが、今回もまた自身の看護観や死生観について刺激を頂きました。

 

 


 RRC711短期支援、救急指導に参加して
 JPR会員 山田 佳織(看護師)

 
 カンボジアでは会長、ソイ・ナリ中将、RRC711メンバーの皆さん大変お世話になりました。
 支援内容や救急車同乗での内容は、赤松さんが報告してくださってますので、割愛させて頂きます。
 今回の渡航ではカンボジアでの救急医療の現状を突きつけられ、どこか悲しいくやり切れない気持ちになってしまいました。
 ただ隊員の活動は素晴らしいものでした。
 今まで学んできた外傷に対するアプローチも、車内での活動もとても頑張っていました。
 これも会長が継続して指導してきた成果だと、とても感動しました。
 数日しか支援に行っていない者が偉そうかもしれませんが、欲を言えば現場でしか分からない臨機応変の部分やプラスアルファー部分を言葉に出して指導ができ、その後のフィードバックもしっかりできたら、もっともっとRRCメンバーの学びや成長にもなったのかなと思いました。
 この部分に関しては会長1人では負担が大きく、やっぱり日本で現場に出て活動されてる方々の協力も必要なんだなと思います。
 難しいことのようにも思いますが、その反面RRCメンバーにはそれだけの期待をしても良いと私は思っています。

 

 


 RRC711短期支援、救急指導に参加して
 JPR会員 松本 保(会社員)

 9/18〜23のカンボジア短期技術支援の一員として消防・医療関係者ではありませんが参加させていただきました。
 私自身は、消防や医療の関係者ではないため技術指導を行なう術はありませんが、微力ながら活動の状況を記録し、Brigede70のメンバーの真剣な眼差しを記録しJPR会員の皆さんはもとより広く一般に紹介できる広報資料の収集(撮影)という心持で参加させていただきました。
 

 今回のBrigede70における技術支援活動は救急活動(出産介助、静脈路確保)が中心で普段は目にすることが少ない救急の技術指導をじっくりと見せて頂き、発展途上の国であるがための新生児への弊害について大変勉強となり、また救急隊員として不可欠であろう静脈路確保技術の習得に対する隊員の皆さんの和気あいあいとした中でも真剣に取り組む態度に感銘を受けました。
 
 救急車同乗による技術指導については、今回は3症例では有りましたが日本のERの看護師の技術力を直接目に出来たことは彼らにとって重要な場面になったと思います。
 プノンペンからシアヌークビルの防災学校の視察にも行きましたが、プノンペン市内の道路交通状況は劣悪であるとともに地方部においても整備が進んでいるとは言い難いです。
 これは道路行政のあり方の問題とも思いますが、反対車線へ飛び出しての追い越しや信号がほとんど無いための無理な横断が日常茶飯事であり、重症重篤に至る高エネルギー外傷が多発することも納得するところです。
 シアヌークビルの防災学校については、校舎一棟が建ち、仮開校式を終えおり、初歩的な教育訓練は可能な状態ではありますが、お国柄的な点もあり建物のそのものの完工には未だ至ってはいません。

 
 構内についても通路整備が終わっただけで訓練場等の完成にはまだまだ日を要すると思われます。
 Brigade70の技術はカンボジア国内の消防機関の状態を耳にすれば国内トップクラスです。
 しかしながら、カンボジアの消防救急・防災制度の整備は必要であり、まだまだ彼らには覚えることは沢山あり、始まったばかりであると思います。
 
 カンボジアにおける予防・消火・捜索・救助・救急・防災などの制度を確立させ一人でも多くの人の命を救うことが、JPRの技術支援活動の原動力であると感じ戻ってまいりました。
 今回のカンボジア訪問にあたり、関係各位の御計らいにより有意義なものとなりました。
 Brigade70の若者たちが明日のカンボジアを背負って個人として組織として成長されます事とシアヌークビルの防災学校が早期に軌道に乗ります事を祈念いたします。
 ありがとうございました。
 


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