2017年 A story of JPR

Kingdom of Cambodia



日本国際救急救助技術支援会(JPR)

 2005年1月7日に設立されたNPO団体の名称です。

 設立したのは、正井 潔氏(現在、JPR理事長)。

 2005年当時は、現役の消防職員であり、2010年の3月に現役を勇退するまでの間、アフリカのザンビア・ルサカ市やスリランカ・ゴール市、インドネシアのバンジャルマシン市やスラバヤ市、そしてカンボジアのプノンペン市などに救急救助技術の支援を次から次へと精力的に支援してきました。

 しかし、そこには、やはり現役の消防士と言うことで、休日や有給休暇などを利用するのも限界があり、志を共にする多くの仲間や支援者、そして理解者が必要と感じNPO団体を立ち上げたのです。

 

長期滞在支援の決意
 正井氏は、2010年の3月に現役を勇退した後、日本国内での再就職など考えることなく、以前から強い想いを抱いていた、海外支援方法を実現することとなりました。
 それは、カンボジアに渡航し、プノンペン市内で長期滞在し支援を行うこと、自分が長年培ってきた知識と技術を直接現地に赴き、長期間滞在し伝えること、先進国と同じように、無償の奉仕で活動する消防専門のプロ集団、プロ組織を創設する事でした。
 そのためには、家族の理解と協力、そして温かい後方支援が無ければ決して成し得ないことですが、最大の理解者であり、最大の協力者である奥様の強力な後押しもあり、順調に長期滞在型の支援が開始されました。
 そして、それは同時にカンボジア王国での「一大プロジェクト」の始まりの瞬間であり、これから続く困難や苦悩、予想もしなかった出来事を経験する事となり、異国の地で喜びと友情が培われ、多くの人々と信頼関係を築いていく始まりとなるのでした。
 

先進国と同じような組織を作りたい…
 プノンペン市に長期滞在したのには、短期的な支援では成し得ない、数々のプロジェクトがありました。
 救急・救助技術の支援はもとより、消防・防災関係から救急システムの構築、病院や医療関係までと幅広く、多岐に渡る支援が必要と感じたからなのです。
 搬送費用や処置費用を一切請求しない救急隊…。
 消火費用や水代、賄賂を一切請求しない消防隊…。
 高度な技術と安全性、信頼性を有した救助隊…。
 市民からの緊急要請を受けるシステムの構築…。
 受け入れる病院や関係機関の協力体制などなど、全てはゼロからの始まりで、支援内容、指導内容は多岐に渡っていました。
 

 

約10年前のカンボジア

 内戦終結後間もないカンボジアでは、もともと消防組織や専門機関と言うものが存在していませんでした。
 火災などは警察消防や民間消防などが、賄賂や水代と称した消火費用などで金品を請求、払えなければ財産を没収されたり、全焼してしまうケースが多かったそうです。
 救急救助現場でも、事故などの閉じ込めは、助けられることなく、終には諦められ放置…。
 交通事故では怪我人が、何の知識も無く何の資格も無く訓練も受けていない者に、民間救急(救急を名乗る資格はありませんが…)として、何の資器材も無い車に、何の処置もされないままの状態で乗せられ、契約された病院に連れて行かれる…、と言う事が多かったそうです。
 その後には、高額な搬送費用と、目を疑うような治療費が請求されるため、怪我をしたとしても、自ら動ける者は「救急車?」と恐れ、逃げることもあったそうです。
 様々な国々のボランティアやNPO団体が、様々な方法を模索してきましたが、消防・救急救助において、完全無償化は大きな問題であり、大きな壁でもありました。
 

Brigade70 Rapid Rescue Company:711(RRC711)
 災害派遣ユニットRRC711の創設。
 現在では、正井氏と大親友であるMr.Soy narith(ソイ・ナリ氏)。
 ふたりは、賄賂や金品を請求しない「真の消防」、「プロの消防組織」を創設するため、苦楽を共にし、喜びを分かち合い、国境や人種を越えた大親友になったと同時に、カンボジア初の消防専門組織を創設し完全無償化に尽力した功労者でもあります。

 カンボジア初の消防のプロ集団を創設し、完成させたこと。
 それは、知識や技術の重要性、日々の訓練の大切さ。
 市民・国民からの期待とともに、プロとしての意識と崇高な使命感を持つことの重要性。
 無償の奉仕と、被害者や被災者を労わる心を持つ将来のカンボジア消防のため、新たな指導者の育成などなど…、約9年間で積み重ねてきたものは、数え上げれば枚挙に暇がありません。
 そして、それは現在も進行形で、JPRとRRC711は更なる高みを目指しています。
 

決して、順風満帆ではなかった支援(1)
 支援開始される約9年前、カンボジア国王軍の衛生兵を中心に指導すると言うことで、数ヶ月におよび、悩みに悩んだ結果題した答え、そして「ひとりでも多くの命を救う」と言う基本理念のもと「カンボジア国民、そしてプノンペン市民のため、救急隊の整備は急務である」と言う高官の熱い言葉から、決定した支援。
 当初は、支援方法など熟考を重ねて準備してきましたが、文化の違いや考え方、厳しい訓練や初めて耳にする救急の知識などから、中々隊員達が長続きしませんでした。
 選抜されてきた隊員達が長続きせず辞めてしまう事から、また新しい隊員に同じ指導を繰り返す日々だったのです。
 ※支援当初から残っている者は、医学生に転進したリヘイン氏のみです。
 

決して、順風満帆ではなかった支援(2)
 支援当初は、軍隊への支援と言うことで、謂れのない誹謗中傷や、あからさまな妨害を受けることもありました。
 唇をかみ締めたこと…、
 悔し涙を流したこと…、
 何度も「もう諦めて帰ろうか」と考えていたようです。
 しかし、ソイ・ナリ氏など、カンボジア側にも「無償の救急隊」創設に熱い気持ちをもった人物が居たため、カウンターパートととなり、強力な助っ人となって「Brigade70 711」が創設されるこことなったのです。

 カンボジア初の災害派遣ユニットRapid Rescue Company:711
 当時、そして今でも東南アジア初の「災害対応専門部隊」なのです。

 支援を重ねることで、コミュニケーションを取り、性格や人物像、そして共に訓練し汗を流したこと、共に苦労し、喜びや悲しみをともにすることで、隊員達が徐々に定着し、現在に至っているのです。今では、指導的立場まで成熟し、成長した隊員が多く在籍するまでなりました。
 

JPRの会員(日本人達)
 会員構成は、設立当初は消防職員が中心でしたが、10年以上経過した今では消防職員以外にも医師や看護師の方々。
 消防団員や一般企業に勤めるサラリーマン、自動車や医療器材の整備などを行う技術者など他業種の方々が在籍し、中には専業主婦や大学生の会員も居ます。
 海外支援を経験した会員達は、日常を超えた非日常の中でも、決して経験することの無い体験や想い、感情や感動と言った言葉に表せないものがあると言います。
 国境を越えた信頼関係や友情が築けることや、非日常が経験できるのもJPRのもう一つの顔かも知れません。
 

その国で、初めての大規模災害対応訓練を実施


 大きな自然災害や大規模な事故など、多くの負傷者や病人がいる現場。
 そして助けを求める人々が、至る所に点在する非常に難しく困難な現場では、多くの被災者を救護するためには、消防や警察のみならず地方機関や国家をあげて、様々な機関が連携しなければなりません。

 「大規模災害」の現場です。
 支援してきた発展途上国において、国際的な支援ではなく、いちNPO団体として「大規模災害の対応訓練」が、如何に重要で、各機関の連携が如何に重要か、を説いてきたのも、当時の支援国ではJPRが初めてでした。

 ザンビア初の大規模災害対応訓練…。
 インドネシア初の大規模災害対応訓練…。
 そして、カンボジア初の災害派遣ユニットの創設と大規模災害対応訓練。

 他の国の支援を待っていては、「救えるはずの命が救えない」恐れが多大にあります。

 「自国民は自国民が救う」と言う基本的なもの…、
 JPRでは、知識と技術以外にも大規模災害時の対応方法や各機関が連携する訓練なども実施してきました。
 

 

「物」だけではない支援
 物品を贈るだけでは支援とは言えません。
 使い方、メンテナンスの方法、どんな現場でどの資器材を、どの様な方法で…と、直接人から人へ伝えることが大切です。
 JPRは救急救助の知識と技術を直接現地に赴き、直接伝えることが重要と考えています。

 しかし、すべては全くゼロからのスタート。
 指導や支援を実施するには、どうしても必要になってくるのが救急・救助の専用車輌や資器材、そして消防ポンプ車等の物品になります。
 しかも、それは粗悪なものでなく、安全性や信頼性が高く丈夫なもので、日本など先進国や信頼のおけるメーカーで製造された物が必要となります。
 そのため、各自治体や消防本部などから経年劣化や更新、排ガス規制などで廃棄予定の車輌や、消防資器材を寄贈して頂きました。
 

高性能の車輌や資器材


 日本など、先進国では人命救助は絶対に失敗の許されない現場。
 耐久年数や経過年数、消耗度合など厳しくチェックされ、機器も高性能で最新の物か100%のメンテナンスされている状態のもの要求されています。
 経年劣化や経過年数で廃棄になった車輌や資器材。
 それらは、たとえ100%の状態でなくとも、発展途上国においては、日本製など優秀な車輌や資器材は操作性や安全面から信頼性も高く、丈夫で長期間使用できるため、どの支援国においても、本当に素晴らしい活躍を見せています。

 もちろん、日々の点検やメンテナンスは言うまでもありませんが、それらの車輌や資器材の点検・整備や保守・保管は、JPRの重要な支援(指導)内容のひとつです。

 ※2017年9月現在、カンボジアのRRC711部隊には、東南アジアで唯一の50m級はしご車が2台、30m級はしご車が1台と、日本製のはしご車を3台保有しています。
 また、消防ポンプ車・化学車・救助工作車・高規格救急車・水槽車(タンク車)などはもとより、レントゲン車まで保有しています。
 その他、救急・救助・消防資器材など、RRC711部隊にしか無いような、優秀な資器材を多数所有していますが、広大なカンボジアの国土や人口からは…RRC711部隊のみでは、まだまだ全く足りていないのが現状なのです。
 

 

2017年9月現在。


 Mr.Soy narith(ソイ・ナリ氏)
 JPRの海外支援は、約9年もの歳月をかけ長期滞在型支援を続けてきたカンボジアで、消防専門の組織であるRRC711部隊を完成させることが出来ました。
 Royal Cambodian Armed Forces(R.C.A.F)Brigade70 Rapid RescueCompany:711(RRC711)
 RRC711の活躍の様子を、このホームページの過去の投稿を是非見て下さい。 言葉で語ること、文字で表せることが出来ないシーンが、数々存在しています。
 「一人でも多く多くの命を救う」と言う崇高な使命を持ったRRC711の隊員達。
 正井氏が、JPR会員達が、後方支援して下さる皆様が、常日頃から見守っていると感じている彼ら彼女らが…、日々一生懸命訓練し、知識を習得しようとしているシーンが数多く掲載されています。
 宜しくお願い致します。(JPR広報:日浦)

 2017年 カンボジアBrigade70 RRC711災害派遣ユニット

 2008年から開始された救急救助の技術支援。
 2010年からはJPR理事長の正井氏が、現地に長期滞在し指導・支援を行ってきました。
 Royal Cambodian Armed Forces:R.C.A.F.Brigade70 RapidRescueCompany: RRC711
 カンボジア初の救急・救助・消防・防災の総合部隊 <製作2017年9月>
 ※是非当ホームページ内の「カンボジア技術支援」をご覧下さい。



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