ザンビア研修生受入れ



マーティン・シムウィンガさん

(ザンビア国地域警察救急救助管理委員会・副委員長)

カチョファ・ルイスさん

(ザンビア警察庁緊急援助隊隊長主席警部)
 ザンビア支援から帰国間もないですが、神戸国際協力センター(理事
長:笹山氏・前神戸市長)のご協力により、ザンビア国救急救助管理委
員会(ERT)の副委員長(マーティン・シムウィンガ)と理事(カチ
ョファ・ルイス)両氏に、日本の救急救助技術の習得研修をJPR会員
により実施しました。


 ザンビア国からの研修生(1)
 12月6日より、神戸消防学校にて、マーティンさん、カチョウファさんの研修が行われております。
 12月8日、外傷観察法に参加させていただきました。
 消防学校なので、資器材がとても豊富に準備でき、図書室を使用しているのですが、スペースも明るさも抜群の環境です。
 
 兼崎さんの、スライドを用いての講義を見た後、早速観察法のデモストに入りました。
 ザンビア支援の際もびっくりしたのですが、マーティンさん、カチョウファさんの記憶力・理解力にはとても尊敬の念を持ちます。
 
 一度の講義、デモストで、ほとんど全てが頭の中に入っており、講義後の復習・質問タイムには、ノートをとりながら、講義の中で出てきた言葉をすっかり暗記しているかのようにスラスラと言っていました。
 講義をされた兼崎さんも、とてもびっくりしていました。
 12月9日、京都に文化施設視察に行きました。
 あいにくの雨でしたが、小雨の京都はなかなか趣があり、研修疲れを癒すにはもってこいかなと思われる雰囲気でした。
 ザンビアでは傘はささないらしいのですが、ビニール傘を持ち、バスで金閣寺に向かいました。
 金閣寺を目にした瞬間、マーティンさん、カチョウファさんだけでなく、私たちまで「わ〜っ!!」と感嘆の声をあげてしまいました。
 金箔入りのお茶を飲んだ後、太秦映画村に移りました。
 日本語だからどうかな・・・と心配したのですが、後で感想を聞いたら笑うところや驚くところは分かったようで、楽しんでもらえたようでした。
 夕食は、串かつでした。
 鴨川沿いにある雰囲気のとても良いお店で串かつやおでんなどの日本の料理を堪能しました。
 カチョウファさんは時々苦手な食べ物があるのですが、マーティンさんは何でもおいしいおいしいいと食べており、
私達も何か苦手なものがあるはずと、毎日いろんなお店を紹介し続けています。
 12月11日、消防学校にて、応急処置法を行いました。

 私は勤務明けで、途中参加だったのですが、私が到着した頃には三角巾法を既にマスターしていたようでした。
 たたみ三角巾や固定法を、私にどんどん教えてくれました。
 あまりに完璧に習得していたので、ザンビアで誰かに教えてもらっていたの?と聞くと、「さっき、会長に教えてもらっただけだよ」と言われ、ほんの1〜2時間で完璧にマスターしたようでした。
 私も西馬さんも、いつものことながらすごいな〜と感心させられてしまいました。

 午後からは、消防学校で行われている、薬剤投与・挿管救命士研修の実習を見学させていただきました。
 普段、搬送されてくるところからしか見ることができない救命士さんの姿ですが、現場や救急車内で行われる処置や家族への関わりを見ることが出来、私にとっても貴重な体験となりました。
 兵庫県の研修中の救命士さんの方々、見学者が多くやりにくかったかもしれませんが、とても勉強になりました。
 ありがとうございました。
     
 この日、帰り仕度をしていると防災センター(消防学校)長さんが見送りに来てくれ、マーティンさんがお礼にとザンビア土産のサイの木彫りを渡しました。
 サイは火があると、足で消す習性を持っており、ザンビアでは動物界の消防士と言われているそうです。
 最高のお土産だなと思いました。
 この日で、救急部門は終了となり、翌日からは、消火・救助部門となります。
 救助チームのみなさんよろしくお願いします。
JPR 松田じゅん

 ザンビア国からの研修生(2)
 12月13日 この日の午前中は防災センターにて、消防ポンプ取り扱いについて防災センターの方に講義していただきました。
 ポンプ車の表示が日本語だったので少し難しかったようです。
 寒い中ご苦労様でした。

 午後は、日本文化視察という目的で、日本の農家代表として、西馬邸にお邪魔しました。
 最初に、西馬邸のすぐ近くにあるお寺を見学しました。
 地獄絵図や、横になって休んでいる大仏様など珍しいものをいっぱい見ることができました。
 普段なかなか見ることができないので、マーティン達よりもはしゃいで写真を撮ってしまいました。
 お茶をご馳走になり、待ちに待った西馬邸に向かいました。
 家の前は一面広い畑が広がり、大根やいちご、キャベツなどが元気に育っていました。
 畳のお部屋に案内して頂き、京都見物の際、西馬さんが買っておいてくれた金粉入りのお茶とお饅頭をご馳走になりまし
た。

 西馬家にも珍しいものがいっぱいあり、本物ではない刀や、置物などマーティン達にとっては・・・私にとってもちょっ
とした博物館のようでした。

 西馬さんのお母様は、家にザンビア人が来るということでとても緊張しているとのことでした。
 ご両親ともとてもあたたかくふたりを迎えていただきました。
 ありがとうございました。
 12月15日 この日は前日に引き続き救助チームによるロープ救助の指導でした。
 午前の最初は、いろんな種類の資器材(カッターやスプレッダーやチェーンソー?)を用いて、鉄パイプを切断する訓練をし
ていました。

 (すいません、詳しい名称がわかりません・・・また勉強しておきます・・・)
 あと、昨日満足いくまで出来なかったからと復習として、車両の牽引もしました。
 ふたりで協力し、それぞれ役割を分担し、資器材を駆使してほぼ完璧に作業出来ました。
 この日の質問も鋭くて、資器材(可搬式ウインチ?)のとても細かい仕組みについて説明を求めていました。
 お昼ご飯にカレーライスを食べ、午後からはロープ救助の訓練に入りました。
 私も初めてロープの使い方を教えてもらい、命綱の作り方を実際やってみました。
 この研修が決まった時からロープの訓練の参加を楽しみにしていたので、とても楽しく参加できました。
 カメラマンとして行ったつもりがあまりにも熱中してしまい写真撮影を忘れてしまっていました。
 マーティン達は、ふんどしみたいにする座席結びという方法を更に習い、消防学校の奥にある山に向かいました。
 命綱を使って山の斜面を進み、訓練場所に辿り着きました。
 救助チームのデモストの後、マーティンとカチョウファが順番に降下と登高を練習しました。
 この時、好評だったのがカチョウファの降下の仕方がとても内股で小走りで可愛くて、降りるたびに「かわいいな〜」と
歓声があがっていました。

 マーティンも、降下準備が出来た際、コマンダーに報告して出発することになっていたのですが、マーティンの言い方が
とてもかっこよく、映画を見ているようで私ひとりでドキドキしていました。

 体力勝負の救助チームの訓練が進む中、さすがに2人はへばってしまっており、特にカチョウファに表情がなくなり、心
配したのですが、みんなの励ましで再び気合が入り、無事終了することができました。

 次に、ロープ救助の方法で、引き上げの重さを1/2に出来る方法を訓練しました。
 この時も、息を切らしながらもふたりで協力して実施出来ていました。
 次回は、是非受講者としてもう一度参加したいなと思うほど、楽しい訓練でした。
 訓練が終了すると、全員で片付けと資器材の手入れの仕方を教えてもらいました。
 次に使うときに不備がないようにとても丁寧に手入れしているのを見て、私も病院での物品管理において見習うべきだな
と感心してしまいました。

 帰りの車内でのふたりはとても静かで、体力勝負の救助訓練を満喫しすぎたようでした。
 今日はよく寝れるでしょうね・・・
 この日で、消防学校での訓練は終了となりました。
 お世話になった、センター長、田村教官、研修中の救命士さん方ありがとうございました。
 大阪に帰る車内で、柏羽藤消防の山本さんとJPRについて熱く語ったのですが、海外支援だけでなくJPR活動は自分達にと
ってもかなり勉強になる貴重な場所だなと思います。

 私は病院内だけのことしか分らないし、消防も、救急はほとんど救急のことだけを、救助はほとんど救助のことだけしか
分らないので、もっとそれぞれの分野に関わって行けたらお互いもっと協力し合えたり、新たな発見が出来たりするんじゃ
ないかと思いました。

 今回のザンビア支援でも、事前打ち合わせが十分でなく、スキルの統一があまり出来なかったという問題が生じたのです
が、海外支援に関係なく普段からJPR内でいろいろな研修や集まりをすることが出来たら、その積み重ねは次回支援にとても
役立つのではないかと思います。

 また、個人のスキルアップにもかなり役立つだろうと思います。
 実際私は、今回のこの研修で緊張性気胸の脱気方法や、三角巾の使い方やロープの使い方を少し覚えました。
 これからも是非こういう機会があればな・・・と願います。
 16日からふたりはTICOへ出発です。
 明石海峡大橋をわたって、マーティン、カチョウファ いってらっしゃい!
 次は、水上消防署で待ってますね。
JPR  松田じゅん

 ザンビア国からの研修生(3)
 12月17日 マーティンとカチョウファがTICO視察より神戸に戻ってきました。
 この日の夜は、大阪に招待し、道頓堀に大阪文化視察に行きました。
 道頓堀消防署を訪れ、大阪市で使用している救急端末探索システムである「あんしんシステム」を道頓堀署救急隊員の方に紹介していただきました。
 私も改めてじっくり見ることが出来、とても参考になりました。
 ふたりに大阪の印象を尋ねると、やはり神戸と違いごちゃごちゃしていて汚いとの答えが返ってきました。
 12月18日 晴れ
 とうとう研修最後の日が来てしまいました。
 今日は、水上消防署に集合でした。
 午前中は化学車の取り扱いを前田さんに教えていただきました。
 マーティンとカチョウファに負けずにメンバー全員興味津々でした。
 同じ消防でも地域によって操作方法が違うそうで、JPRチーム内でも個人授業が行われてました。

 
 お天気がとても良かったので、外での訓練はすごく気持ちよかったです。
 間近で放水も見ることができました。
 午後は、大規模災害机上訓練を行いました。
 ザンビアでの総合訓練をスライドを見ながら振り返り、マーティンとカチョウファに現在のザンビアを想定して具体的に
行動計画を立ててもらいました。

 全員がなるほど〜と思うような意見が出て、とても有意義な机上訓練でした。
 日本とは異なるザンビア式の意見がたくさん出ました。
 これをふまえてもう一度ザンビアで総合訓練をしたいな〜と思いながら聞いていました。

 これにて2週間にわたる救急・救助・消火・災害訓練が終わりました。
 マーティン、カチョウファ 毎日朝早くからの研修お疲れ様でした。
 講師をされたJPRチームのみなさま、体調を崩しながらも通訳をしてくれた江橋さん、防災センターのみなさま、水上
消防署のみなさまお疲れ様でした。

 明日は、研修報告会と送別会、そしてマーティンの帰国があと3日と迫ってしまいました。
 寂しくなりますが、マーティンを笑顔で見送り、今後のザンビアの救急システムを応援したいと思います。
JPR  松田じゅん 
 

 ザンビア国からの研修生(4)
 12月21日 とうとうマーティンのザンビア帰国の日が来てしまいました。
 早起きして関空に向かうと、大荷物を持ったマーティンとお見送りメンバーが先着していました。
 カチョウファは、いつもと違い、カメラマンに徹しており、相棒の帰国への寂しい気持ちが察せられました。
 マーティンは大きな荷物を4つも持っており、重量オーバーを心配し、見守っていたのですが意外とすんなり通されていて笑顔で手続きを終えてきました。






 手続きを終えると別れを惜しむ時間もなく、慌ただしくゲートに向かいました。
 みんな笑顔で手を振り、再会を約束し、見えなくなるまでマーティンを見送りました。

 そして続いて、風邪を引きながらも通訳としてお世話になった江橋さんのお見送りとなりました。
 会長の車で、新神戸駅に行き、またまたじっくり別れを惜しむ余裕もなく、新幹線の改札で姿が見えなくなるまで見送り
ました。

 ひとりひとりいなくなって行くのを見ていると、どんどん寂しくなっていき、時間が止まってくれないかな・・・と心底
思っていました。

 
 最後のお別れは、カチョウファでしたが、バスの時間まで5時間あったので休憩したあと、カチョウファの希望でウィン
ドウショッピングをすることになりました。

 電気屋さんに行くと、私達でも時間を忘れる程に楽しめるのですが、カチョウファも一緒のようでした。 デジカメや乗
馬運動が出来る健康器具などでしばらくウィンドウショッピングを楽しみました。


 昼食に明石焼きを食べたあと、三宮の歩道上で、アフリカの子供達のために、募金活動をする大学生に出会い、活動内容
を聞いたり、活動を少し手伝ったりしてしばらくそこで過ごしました。

 16時を過ぎ、カチョウファ出発の時間が来てしまいました。
 徳島に戻り、3月まで研修を続け、その後ザンビアに帰国するそうです。
 いつも大笑いしているカチョウファの表情が、少し寂しげになっていました。
 11月19日のザンビア支援に始まり、今回の神戸研修と、とても充実した約1ヶ月間でした。
 JPR内でも今後の活動計画がどんどん進んでおり、更に頑張らないといけないなと決意を胸に、しばし本業に専念した
いと思います。


 ハードスケジュールの研修を終えてほっとしているであろうマーティンさん・カチョウファさん、本業をこなしながら指
導をして頂いたJPRメンバーのみなさま、研修中お世話になったみなさま お疲れ様でした。

 本格的な冬が到来し、消防も病院もとても忙しい季節ですが、お体に気をつけてともにのりきりましょう。
 次回JPR活動に向けて・・・。
JPR  松田じゅん

 研修報告会
日 時 平成18年12月19日(火) 14:00〜16:00
  場 所  神戸国際会館 20階 神戸国際協力交流センター内 大会議室

1.会長挨拶
 会長 正井 潔(神戸市消防局)
2.研修報告会
 マーティン・シムウィンガ氏(ザンビア国救急救助管理委員会(ERT)副委員長)
 ・JPRによる「第2回ザンビア技術支援」のザンビア側(マーティン)から見た報告・感想等
 ・JPR研修会 成果報告
 カチョファ・ルイス氏(ザンビア警察庁緊急援助隊隊長主席警部)
 ・JPR研修会 成果報告およびTICO研修経過報告。
 ※同時通訳 TICO 江橋氏
3.JPRの活動実績、活動経過について
 会長 正井 潔
 ・ ザンビア技術支援の成果報告および今後の展望等
 ・ 第2回ザンビアプロジェクト参加者から一言ずつ
 ・ クエスチョンタイム

 PC/プロジェクターを使って報告



 会長報告と支援メンバーの紹介


ザンビア研修生 研修写真集

 ザンビア研修生 <研修写真集>
救急訓練
救助訓練
神戸へリポート見学
資機材取扱い訓練他

     油圧式救助器具取扱い訓練

     神戸市消防局管制室 見学
図上訓練他
スナップ





 「神戸国際協力交流センター」表敬訪問



 12月14日、マーティンとカチョファが研修受入機関である「神戸国際協力交流センター」に表敬訪問し、同センター顧問の笹山幸俊氏等と研修受入の謝意と研修の途中経過を報告しました。

 今回のマーティン・シムインガ氏の研修は、「平成18年度自治体国際協力促進事業(モデル事業)に基づく「ザンビア国救急救助技術支援事業」として、同氏が神戸に招聘されJPRが研修を全面的に委託されたものです。

 表敬訪問では、笹山顧問と約30分間ザンビアの国情や研修状況について会談しました。

 また、笹山顧問から2名に記念品が贈呈されました。

 マーティン氏は「阪神・淡路大震災から奇跡的に神戸の街を復興させた市長は有名で知っていましたが、その市長にお会いできたのが大変光栄です」と感想を述べていました。



日本国際救急救助技術支援会

Japan Paramedical Rescue :JPR

会長  正井  潔




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